前へ行く勇気とは何か。
攻撃に重きを置くことか。
裏への飛び出し多くすることか。
そうではない。
僕が言いたいのは”常にチームとして”、前へ行けということだ。
腰が引けた守備では勝てない
清水DF陣の悪い癖は相手の前進に対し、ノープレッシャーでずるずると下がってしまうことだ。
少しきつめに言うと、今の清水はJ1で最も簡単に得点を奪えるチームになりつつある。
それはリーグ断トツワーストの失点数が物語っているだろう。
篠田監督は就任に『球際を強くいかせる』『戦わせる』ということを明言した。
その言葉に偽りはなく監督交代から球際で強さを発揮し、着実に勝ち点を積み上げてはいた。
しかし、ここ数試合はヨンソン元監督時代のように緩さが見れる。
これはヨンソン元監督を批判するわけでなく、篠田監督就任直後の『厳しさ』が薄れているのではないかと感じてしまう。
J1は日本のトップディビジョンだ。
プレッシャーを掛けなければ一撃必殺のパスを通され、仕留めきるストライカーが揃っている。
ボールを奪いに行かない、球際で戦わないことはJ1では死活問題だとひしひしと感じてしまう。
チームとして奪いに行かなければ穴だらけ
先ほど述べたようにの守備陣はどうしても相手の裏抜けを怖がり、ラインを下げる癖がある。
しかし、前線はボールを奪いに前へ出ているのだ。
すると何が起こるか。
チームは間延びし、前と後ろの2つの集団に分断されてしまう。
その分断されたスペースに相手が入り込み、かつノープレッシャーでボールを受けているのだ。
詳しく言えばボランチの前。
そうなると相手はどんどん前へ出ていく、清水の前線が守備に戻ってもほぼ間に合わない。
サッカーのピッチは大体120mあり、清水はDFからFWまで70~80m間延びしているシーンも度々ある。
スッカスカの守備網ではいたるところで数的不利が生じる。
ドウグラスや移籍した北川が後ろの選手に対し、頻繁にジェスチャーなどで『前に来いよ!』と腹を立てる姿をDAZNで何度も見た。
DF陣の裏が怖い気持ちは分かるが、怖いからラインを下げるのは相手の思う壺なのだ。
模範的な首位 FC東京の守備網
DAZNを契約している方はFC東京の試合を見ていただきたい。
東京のDFラインからFWまでは広がって30~40mほど。
自陣内では20~15mほど距離を縮め、スペースがほぼない守備網を形成する。
そして相手がバックパスを選択すると、ボールが後ろに進んだ距離と同じ分だけ、チームとしてラインを上げる。
チームとして間延びせず常にボールを奪える、囲める距離感にあるからこそ、FWは積極的にボールを奪いに行ける。
昨日行われたJ2リーグ 岡山と京都のゲームにおける、岡山の守備も恐ろしくコンパクトで京都は守備ブロックの外でボールを回すしかなかった。
良い時の清水はコンパクトな守備が出来るだけに、毎試合できないのが歯がゆいのだ。
FC東京も岡山も前に出ることで伴う裏へのリスクは分かっているはずだ。
ただ、彼らは『チームとして前に行く勇気』を持っている。腹をくくっている。
前へチャレンジしての失点と、怖がり下がっての失点では失点の『質が違う』。
『攻撃は最大の防御』という言葉があるように、前に出ることは失点を減らす可能性を秘めているのだ。
清水エスパルスよ、前へ行く勇気を持て。
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