サッカー

西澤健太が繰り出す”速くて越える”キック

雷雨となった大分トリニータ戦でようやく今季初勝利を上げたエスパルス。

4得点全てがセットプレーというなんとも珍しい形ではあったが、流れから得点は取れずともセットプレーで勝ち点を取るチームは多くある。

その全てのキッカーを努めたのが16番 西澤健太だった。

キックの上手い選手であることは周知の事実。

しかし、昨シーズンはゴールこそ決めてはいたがセットプレーでのアシストはほとんどなかった。

なら、今シーズンと昨シーズンでは何が違うのか。

また2試合連続でセットプレーから得点できたチームとしての狙いについて。

鳥栖戦、大分戦でのゴールシーンから解説したい。

メモ

サガン鳥栖、大分トリニータ共にセットプレー時の守備はンディフェン。ゾーンディフェンスとはオフェンス側の選手へマークにつくのではなく、ゴール前へ選手を並べ入ってくるボールを跳ね返す守り方。マークにつく守備はマンツーマンと言う。

”ストーン”を越えて落ちるキック

サッカー観戦の中で『ストーン』という言葉を聞いたことはあるだろうか?

”ストーン”=”石”

単語の意味同様、石。由来はわかりません。

このストーンはセットプレー時の守備側が使う。

大分戦の先制点のシーンから解説します。

 

白の丸で囲んだ大分の複数の選手がストーンにあたる。

基本的にはポストに近いニア(近いサイド)のポジションを取り、マークには付かずニアに入ってきたボールを跳ね返す役割

他のシーンを見てみよう。

 

このストーンというものはセットプレーでの守備における鉄則である。

逆に言えばこのストーンを越えるキックができれば得点確率は一気に高まる。

昨シーズンまでの西澤はどうしてもこのストーンに引っかかっていた

ストーンを越える意識を持ちすぎるとどうしても高いボールになってしまうが、高さが出てしまうと相手GKが飛び出す余裕も生まれてしまう。

すなわち、『ストーンをギリギリ越える高さとスピード』を蹴れるかがキッカーに求められる。

今シーズンの西澤はその質の高いボールをバンバン蹴っていた。

大分戦での先制点(ソッコ)、3点目(立田)、4点目(ヴァウド)いずれも手前のストーンを越えたボールなのだ。

目線をずらすファーでの折り返し

もう一つ今シーズンのエスパルスのセットプレーで特徴的なのが

『ファーサイドで折り返した中で合わせる』スタイルだ。

恐らく今季はセットプレーを担当する篠田コーチを中心にデザインしたセットプレーに取り組んでいる。

その中でキーマンなのが 5番 ヴァウドと 22番 ヘナトだ。

鳥栖戦と大分戦の得点シーンを見てみよう。

まずは鳥栖戦、ヴァウドがファーで折り返し、立田がゴール前のカルリーニョスへ繋ぎ、決めたシーン

ヴァウドがこの位置から入り込んでいることから狙っている形だということがわかる。

続いて大分戦も。

 

ルールとしてヘナト、ヴァウドはファーサイドからということがあるようだ。

そしてヘナトは中でも直接合わせることができる位置。

逆にヴァウドは基本的に折り返しを前提としてファー(遠いサイド)にポジションを取っている。

冒頭で書いた通り、この2チームはマークにつかないゾーンディフェンス

そのため鳥栖戦はヴァウドもノーマークだったヴァウドだが、大分はスカウティングで必ずヴァウドだけにはマンツーマンで対応していた。

ヘナトも1人がマークについているように見える。

しかしながら、今節もファーでの折り返しからゴールしたのだから次節以降はさらにマークをつけてくるだろう。

折り返すことの何が有効的か?

それは相手の目線をずらすことにある。

鳥栖戦のシーン。

画像はヴァウドがファーサイドで折り返し。立田がゴール前のカルリーニョスへ送る瞬間。

この時点で鳥栖の選手は完全にボールへ目が行き、カルリーニョスがフリーになっていることがわかるだろう。

つまり右へ左へボールを動かすことで相手は選手とボールを同時にみるのが難しくなるのだ

これが折り返す狙いそのものである。

キッカーの質と中への入り方。

セットプレー1つとっても様々な攻防が繰り広げられているのだから、面白い。

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